アウディQ5の板金塗装を行いました

今回は愛知県豊橋からのお客様のアウディQ5の事故の板金修理を行いましたので作業内容を公開させていただきます。

今回の板金修理では左フロントフェンダーから左前後ドア、左リアクオーターの左側面と右リアクオーター周辺の両側面が大きく損傷している事故でした。損傷具合がひどい場合には凹み部分を引き出す作業が必要になってきます。また、今回はお客様の希望により、左リアドアは中古品に交換しての作業になりました。

だは、さっそく作業を紹介していきます。

大きくへこんでいる左リアドア周辺です
左フロントドアもした部分に大きな凹みがあります
左リアフェンダー周辺を引き出している作業です

今回のように凹み具合が大きい場合には、そのままパテを盛り高さを稼ぐことはしません。板金修理の基本は、どれだけパテを減らして修理が可能か、という重要な考え方があります。今回使用した2液のパテは紙粘土のようなものと考えてもらえるとわかりやすいです。紙粘土はこねて水を含ませることで柔らかくなり、成形することが可能になりますが、パテは柔らかい紙粘土のような状態から、硬化剤を混ぜ、化学反応で固まっていきます。このパテを凹んだ部分に盛り付けるように塗っていくことで凹みを埋めて傷を修正することができます。

しかし、パテにもデメリットが存在します。硬化したパテも時間経過とともに必ず痩せてしまうのです。痩せるとは言葉の通り、硬化後に体積が減ってしまう現象です。つまり、パテのみを多用して凹みを修復しようとすると、パテを盛った部分が収縮し、修理した跡が現れてきてしまいます。それを最小限に抑えるために、あらかじめ凹んだ鉄板を大まかに引き出して、パテを盛る量を最小限にする工夫が必要なのです。

引き出し後にパテを盛っていきます
盛り付けたパテを整えます
パテを研いだ後にサフェーサーを塗装した状態です

次は右リアの状態です

右リアタイヤハウス周辺です
こちらも同様に引き出し後にパテを盛ります
パテを整えてサフェーサーを吹きます
別角度からの写真です

続いて左フロントフェンダー周辺です

左フロントフェンダーです
同じように引き出してパテを盛ります
サフェーサーまで終了した状態です

ここまでが下準備です。この後マスキング後に塗装に入っていきます。

左クオーター部です
右クオーター部です
左フロントフェンダー周辺です
お客様が用意したのは色違いのドアですが問題ありません

左クオーター塗装後です
右クオーター塗装後です
左フロントフェンダー塗装後です

この後組み付けて今回の作業は完了になります。

左側面の完成後の写真です
左リア周辺です
右側面もきれいになりました
右リア周辺です
左側面の完成後です

今回のアウディーは両側面の事故という大きな修理になりましたが、可能な限り丁寧な仕上げを希望されていました。板金修理での車の破損状況は様々です。それを修理する方法も1つではありません。

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